必要な老後資金と個人金融資産の現状、資産運用の必要性について

ゆとりある老後を送るために必要な資金は?

充実したゆとりある老後を過ごすためには、かなりの資金が必要である事をご存知でしょうか?

生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」によれば、対象者の6割以上の方が「ゆとりある生活」を送るためには、月30万円以上必要(平均約35.4万円)と答えています。

一方、老後の収入はどうかというと、総務省「家計調査報告(家計収支編)平成27年」によれば、平均的な老後の収入は平均約21.3万円となっており、その差約14.1万円の不足となっています。その不足額を何年に渡って払い続けるかというと、現在先進国でも平均寿命は伸びている事から、今後90歳まで生きた場合には、65歳の人は4,230万円必要となります。しかも、60歳の人に至っては、60〜65歳まで年金も支給されず無収入となるため、更に2,100万円が必要となるのです。

この際注意が必要なのは、上記の必要資金額はあくまで日常生活の部分だけであり、その他にも医療費や介護費用、他にも旅行や趣味に使うお金など臨時支出が上乗せされます。

ちなみに、60歳以降に掛かる生涯医療費は約1,671万円(厚生労働省「医療保険に関する基礎資料〜平成25年度の医療費等の状況〜」)、介護費用は夫婦で1,000万円強掛かると言われています。それらを全て合わせると、9,000万円以上の資金が必要になります。

この金額を聞いて、問題ない方もいらっしゃるでしょうが、多くの方はご不安になられたのでは無いでしょうか?

利益を生み出さない日本の個人金融資産

日本の個人金融資産は、2016年末時点で1,600兆円もあり、米国に続いて世界第2位の金額となっています。しかし、その多くの資金が預金や国債などの安全資産で保有されており、現在の様な低金利環境下では利益を生み出しているとは言い難い状況です。

例えば、個人金融資産の中の現金・預金比率を同じ先進国である米国やユーロ圏と比較してみると、2017年3月末時点で米国の現金・預金比率が13.4%に対して、ユーロ圏は33.2%、そして日本は51.5%とダントツの高さとなっています。

預金金利はどの様な状態かというと、三菱UFJ銀行の大口定期は10年でも0.01%しかありません。これは、1,000万円預けて10年間で1万円の利息しかつかないという事です。その様な低金利預金に1,600兆円の51.5%もの資金が利息も生み出さずに眠っていると言えます。

しかも問題は、これらの資金は利益を生み出さないだけでなく、万一インフレ経済に転じると価値の目減りが起きてしまうのです。

日本経済は、1990年のバブル崩壊後、長期間に渡るデフレに悩まされたので、インフレ経済と言ってもピンと来ないと思いますが、その動きは、今後将来にかけて徐々に強まってくると考えています。

例えば、日銀は現在、物価目標を2%と置いて金融緩和を行なっていますが、2018年の3月には黒田総裁が「現時点では私も含め政策委員は19年度ごろ2%程度に達するとみている」とし、「当然のことながら、出口というものをそのころ検討し、議論しているということは間違いない」と語っています。これは既に利上げに転じている米国や金融緩和を縮小している欧州に続く動きであり、あながち大風呂敷を広げた発言とも思えません。

日常生活では、ヤマト運輸や日本郵便が配送料の値上げを行なっているほか、小麦粉、年賀状、パック入りご飯、ユニバーサルスタジオ、ビールなど、各業界で値上げの動きが見られます。

それでは、今後、物価が年+2%上昇した時に受ける影響を考えてみましょう。

今、ここに価格100円の商品があったとします。これが毎年+2%値上げすると、10年後にはなんと122円まで価格が上昇します。そうなると、従来は1,000円で10個買えていたものが、10年後には8個しか買えなくなります。つまりお金の価値が下がった事を意味します。今回のケースでは、10年後も10個買おうとするならば、お金の価値も毎年+2%上昇する必要があるのです。

ここで改めて整理すると、インフレの動きは今後徐々に強まってくる事が予想され、2019年度には年+2%程度の物価上昇の可能性も出始めている。しかし、一方の個人金融資産は年0.01%程度の利息しかつかない状態にあるという事です。結果、個人金融資産は、額面は減らないものの、物を購入する上での実質価値は低下していく可能性があるという事を認識しておくべきだと考えます。

資産運用によって金融資産の実質価値の目減りは防げる

それでは、現在、現金・預金として保有されている資金の実質価値を維持・向上させるためにはどうすれば良いのでしょうか?

それは、物価上昇以上の利益を生み出す事です。そして、その解決策として資産運用が挙げられます。

既に米国や欧州では資産運用を多くの人が行なっています。日本でも資産運用に前向きに取り組むべきです。その為の後押し材料として、政府もNISAやジュニアNISA、積立NISAなどの非課税制度を創設し、将来の資産形成をサポートしてくれています。

資産運用と聞くと、元本保証が無いので心配される方も多いと思いますが、資産運用のやり方にも色々あり、基本は長期分散投資という考え方を取り入れる事によって資産を安全に運用する事が可能です。これは、長期間保有し、かつ投資対象も色々な物に分散するという考え方です。

代表的な投資対象の資産は、株式や債券、リート等です。また地域では先進国や新興国などが挙げられます。これらの資産はそれぞれ個別の動きをしますので、色々な資産に分散して投資する事で、ある資産が下がった時には他の資産が上がるなど、お互い補完し合ってリスクを軽減してくれます。

一方、これらの資産は短期的には上げたり下げたりと変動するものの、長期間で見れば、世界のGDPに沿って動いています。世界のGDPは過去より安定して上昇し続けていますので、各資産も長期間で見れば上昇基調を維持しています。

以上より、長期分散投資に基づいた資産運用を行えば、リスクを低減させつつ長期的に安定した利益成長を狙う事が出来、物価上昇による資産の目減りを防ぐ事が出来ると考えています。

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